駐車場経営でよくあるトラブルとは?実例と失敗しないための方法を紹介
目次
1.はじめに
「土地を有効活用したいけれど、建物を建てるほどの資金はない」「相続した土地を維持しているだけでは税金がかかってしまう」
こうした悩みを抱える方にとって、駐車場経営は手軽に始められる土地活用の代表格です。初期費用が比較的少なく、狭小地や変形地でも活用できるため、「まずは駐車場から」と考える人は少なくありません。
しかし、実際に経営を始めたオーナーの声を聞くと「思っていた以上にトラブルが多い」「結局手間ばかりかかって儲からなかった」という体験談もよく耳にします。駐車場は無人で運営されることが多く、管理体制やトラブル対応の仕組みを整えていなければ、予期せぬ問題に直面してしまうのです。
この記事では、駐車場経営でオーナーが直面する具体的なトラブル事例を掘り下げ、オーナーが一人で抱え込むことの危険性を明らかにします。さらに、どうすればトラブルを最小限に抑え、安心して経営を続けられるのか、その現実的な解決策についても詳しく解説します。
2.駐車場経営でオーナーが直面するトラブル事例
駐車場は利用者が自由に出入りできる「半公共的な空間」であり、オーナーが常駐するわけではありません。そのため、利用者との金銭的な問題から近隣住民との摩擦まで、実にさまざまなトラブルが発生しやすい環境です。ここでは、オーナーの悩みの種となりやすい代表的なトラブルを、具体的な事例とともに見ていきましょう。
2-1.無断駐車と料金未払い
駐車場経営で最も頻繁に発生し、オーナーの頭を悩ませるのが、無断駐車や長期間の放置車両、そして料金の踏み倒しです。月極駐車場では、「自分の契約している区画に他人の車が停まっている」といった利用者のクレームなど、オーナーは対応に追われます。また、時間貸しのコインパーキングでは、駐車料金を未払いのまま車を放置され、その間、他の利用者が停められずに収益が下がるという深刻な問題が起こります。
実際にあった事例として、あるオーナーは常習的に無断駐車する車に悩まされました。その車はナンバープレートを外し、連絡先もわからない状態。オーナーは「何とかしなければ」と警察に相談しましたが、器物損壊や窃盗などの犯罪が絡まない限りは民事問題として扱われるため、強制的な対応は難しいのが実情です。レッカー移動を依頼するには自己負担が発生し、さらに車の所有者の承諾が必要な場合があります。結局、その車が撤去されるまで数週間もかかり、その間の収益はゼロでした。
2-2.設備や機械の故障
精算機やロック板、ゲート、照明、防犯カメラなど、駐車場には多くの設備が設置されます。これらは屋外で24時間365日稼働しているため、故障のリスクが非常に高いのが現実です。
あるオーナーは、真夏の炎天下で精算機が突然動かなくなり、利用者が車を動かせなくなるというトラブルに直面しました。精算機メーカーに連絡すると「基板の交換が必要です」と言われ、数十万円規模の高額な修理費用を請求されました。さらに、修理業者が来るまでの間、オーナー自身が現場に駆けつけ、利用者に事情を説明し、手動でゲートを開ける対応に追われました。仕事中だったため、何度も会社を抜け出し、本業にも支障が出てしまったといいます。設備トラブルは収益を直撃すると同時に、オーナーの貴重な時間を大きく奪う厄介な問題です。
2-3.事故や損害賠償
駐車場では、車同士の接触事故や、利用者が設備につまずいて転倒する事故、さらには車両盗難や車上荒らしといったリスクも避けられません。
あるパーキングでは、夜間、利用者が敷地内の小さな段差につまずいて転倒し、「夜間照明が不十分で段差の表示もなかった」とオーナーに損害賠償を請求しました。幸い、オーナーは施設賠償責任保険に加入していたため補償はされましたが、事故状況の説明や警察との連携、保険会社とのやり取りなど、専門知識が求められる複雑な手続きに多大な時間を費やすことになりました。個人オーナーがこうした事故対応を一人で行うのは、非常に大きな負担となります。
駐車場経営の保険については、下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
関連記事:駐車場経営に必要な保険とは?失敗しない保険の選び方を紹介
2-4.近隣住民とのトラブル
駐車場は地域社会の一部であり、近隣住民との摩擦も避けられません。特に、夜間は若者のたまり場となって音楽や会話が騒音となったり、タバコの吸い殻やゴミの放置が苦情につながることがあります。また、駐車場を新設することで交通量が増え、「子どもが危ない」と指摘されたり、景観を理由に反対運動が起こったりすることもあります。
ある住宅街の駐車場オーナーは、騒音やゴミの苦情が続いているにもかかわらず、日中仕事で対応が遅れてしまいました。その結果、「オーナーは何もしてくれない」と非難され、地域から孤立してしまいました。住民からの苦情がエスカレートし、オーナーは次第に駐車場経営自体に嫌気がさしてしまうというケースもあります。駐車場は地域住民の理解を得て運営しなければ、長続きしないのです。
2-5.予期せぬ自然災害とメンテナンス費用
台風や豪雨による冠水、大雪による埋没、地震による設備の破損など、自然災害もオーナーの負担となります。特に地方の土地では、都市部よりも管理体制が手薄になりがちで、災害時の対応が遅れるリスクも高まります。また、定期的な清掃や除草、アスファルトのひび割れ補修など、収益を維持するためのメンテナンス費用も継続的に発生します。これらの費用を事前に見込んでいないと、経営を圧迫することになります。
3.なぜ「自主管理」ではトラブル対応が難しいのか
駐車場でトラブルが発生した際、オーナーは基本的にすべての対応を自分で行わなければなりません。
例えば、無断駐車には警察への相談やレッカー業者への依頼、違約金の請求といった対応が必要です。また、料金未払いには防犯カメラや記録を証拠として残し、場合によっては弁護士と連携する必要も出てくるでしょう。さらに、設備が故障した際には、専門業者に連絡し、復旧までの暫定対応も準備しておく必要があります。そして、最も厄介な事故や損害が発生した場合は、警察や保険会社と連携して責任区分を明確にし、複雑な手続きをオーナー自身が処理しなければなりません。
しかし、これらの対応をオーナーが「一人で」「自力で」行うのは現実的ではありません。特に日中仕事をしている会社員や、遠方に住んでいるオーナーにとっては、時間的・精神的な負担が大きすぎます。その結果、対応が後手になり、小さなトラブルが深刻な事態へと発展してしまうのです。
4.運営方式別に見るトラブル対応の負担
駐車場の管理方式には、「自主管理」「管理委託」「一括借り上げ」の3つがあり、それぞれオーナーの負担が大きく異なります。
4-1.自主管理方式
収益は最大化できる可能性がありますが、無断駐車や事故など、深刻なトラブルにもすべてオーナー自身が対応しなければなりません。副業や兼業で続けるには、時間的にも精神的にも大きな負担となり、長続きしないのが実情です。
4-2.管理委託方式
清掃や料金徴収といった日常業務は委託会社に任せられます。しかし、無断駐車や事故といった重大なトラブル対応はオーナーに残るケースが多く、「結局大変」と感じるオーナーが少なくありません。
4-3.一括借り上げ方式
運営会社が土地を借り上げ、運営・管理・トラブル対応をすべて担う方式です。専用のコールセンターを持つ会社も多く、24時間365日体制で利用者からの問い合わせや緊急対応に対応します。オーナーのリスクを大幅に軽減でき、安定収益を得られるのが最大のメリットです。
5.一括借り上げ方式なら経営の不安要素を根本から解決
駐車場経営の最大の不安は「トラブル対応」と「収益リスク」です。しかし、一括借り上げ方式を選べば、この2つの不安を同時に、しかも根本から解決できます。
5-1.料金設定をプロに任せられる安心感
運営会社は、その地域の駐車需要や競合状況を緻密に分析し、データに基づいた最適な料金設定で稼働率を最大限に高めてくれます。そのため、見通しの甘さによる失敗を回避できます。
5-2.初期費用や修繕費の心配がなくなる
運営会社が初期費用や故障時の修繕費を負担してくれるプランが多く、予期せぬ大きな出費で資金繰りが狂うことがありません。
5-3.トラブル対応が大幅に軽減される
無断駐車やクレーム、設備故障といった多くのトラブル対応を運営会社が担当します。オーナーは、日々の対応に追われることなく、本業やプライベートの時間を確保でき、精神的な負担も大幅に軽減されます。
オーナーは「土地を貸すだけ」で安定した賃料を毎月受け取ることができ、精神的にも大きな安心感を得られます。これは、駐車場経営で成功するための最も現実的で、確実な方法と言えるでしょう。
6.まとめ
駐車場経営は手軽に始められる一方で、無断駐車や料金未払い、近隣との摩擦、設備故障、事故など多くのトラブルに直面する可能性があります。これらにオーナーが一人で対応し続けるのは現実的ではなく、失敗や撤退につながるケースも少なくありません。
しかし、一括借り上げ方式を選べば、こうした不安要素の大部分を専門会社に任せられます。空車リスクを回避し、トラブル対応もすべてプロに任せられるため、安定した収益を長期的に得ることが可能です。
もし「駐車場経営に興味はあるけれどトラブルが心配」「安心して土地を活用したい」と感じているなら、まずは信頼できる運営会社に相談してみてください。NTTル・パルクでは、あなたの土地の条件に合わせた最適なプランを提案いたします。
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